こんにちは、柴犬アナリストです。
今週の米国株市場は、エヌビディア(NVIDIA, NVDA)の決算発表が最大の注目イベントでした。S&P500やNASDAQなど主要指数に大きな影響を与え、投資家の間で議論を呼んでいます。本記事では、エヌビディア決算の内容と株価反応に加え、米国PCE価格指数、ヘルスケア株、S&P500の動き、さらにゴールドやドル円為替の最新トレンドをまとめて解説します。
米国市場の概要 & イベント
1. エヌビディア決算
今週(日本時間8月28日早朝)、半導体大手 NVIDIA(エヌビディア) が2025年第2四半期決算を発表しました。今回の決算は、ジャクソンホール会議直後というタイミングもあり、投資家にとって最重要イベントの一つと位置づけられていました。なぜなら、NVIDIAは時価総額が約4兆ドルに達する「メガキャップ株」であり、その動向はNASDAQやS&P500といった米国主要指数全体に大きな影響を与えるからです。
決算内容は売上高・EPSともに市場予想を上回る好決算となりました。しかし、株価は決算直後の時間外取引から下落基調となり、翌日の正規取引でも3%前後のマイナスを記録しました。市場の高すぎる期待値や、中国向けAIチップ販売への懸念、そして同日のテック株全体の軟調な地合いが背景と考えられます。
2. 米PCE価格
金曜日(米国時間8月29日夜)には7月分の米国PCE価格指数(個人消費支出デフレーター)が発表されました。
- コアPCE:前年比+2.9% (予想2.9%)
- 総合PCE:前年比+2.6% (予想2.6%)
インフレは依然として高止まりしているものの、市場予想通りの結果となり、大きなサプライズはありませんでした。このため市場関係者や投資家は、来月に予定されるFOMCによる利下げへの見方を変えておらず、利下げ期待は依然として強いと考えられます。
3. ヘルスケア・バイオセクターの注目ポイント
実はここ1年間、年初来からパフォーマンスがあまり伸びなかった ヘルスケアセクターですが、最近は徐々に上昇傾向が見られます。過去の大きな下落要因としては、
- 2024年8月頃からのメルク(MRK)の下落や2025年4月に起きたユナイテッドヘルス(UNH)の株価暴落
- その他、ハイテク、金融セクターに資金が集中したこと
などが挙げられます。しかし現在、S&P500全体が割高な中でも、ヘルスケアは相対的に割安なセクターです。さらに、投資の神様 ウォーレン・バフェット氏 も最近ユナイテッドヘルス株を購入しており、市場の注目が高まっています。
なぜヘルスケアが注目か❓
- 割安株が多い
- 配当利回りが比較的高い
- 今後の成長余地がある
- 景気変動に強い「ディフェンシブ株」としての魅力
個人的には、割安で配当も良く、今後の上昇余地もある穴場セクターだと考えています。

米国株S&P500 の動き
今週の米国株式市場では、S&P500指数が注目されました。木曜日には 最高値6,500ポイント に到達し、ハイテク株が指数を大きく押し上げていました。しかし金曜日の夜には、一気に 6,460ポイントまで下落。下落の主因は、シンプルに ハイテク株の売り です。

特に エヌビディア(NVDA)の決算後の2日連続下落 が大きく影響しており、その他のハイテク株も軒並み下落しました。その結果、S&P500指数全体が押し下げられる形となりました。
証拠として、金曜日の S&P500 ヒートマップを確認するとわかりやすいでしょう:

その他、とても興味深い情報も確認しました、、、それは、9月1日のレイバーデイ!
Labor Day前後の株式市場の傾向
Labor Day(レイバーデイ)は、事実上の夏の終わりとされ、3連休は多くの人にとって旅行シーズンとなる。過去21年間で、金曜日は平均的に弱く、4つの主要指数すべてで小幅下落する傾向がある。

参考情報 : https://jeffhirsch.tumblr.com/
ゴールド、ドル円為替の動き
今週の ゴールド は約 3%の上昇 と大きく値を伸ばしており、特に昨日は 1~2%の急上昇 を記録しました。一方、ドル円為替 は円高傾向でじりじりと下落し、 146円台 まで下がっています。この動きがハイテク株下落時のリスクヘッジなのか、利下げ期待によるものなのかは現時点では明確ではありません。ただ、円高方向への動きからは、やはり 利下げ期待が強いことも影響している可能性 があります。いずれにせよ、米国株取引の際には ゴールドを保有しておくことはリスクヘッジとして有効 です。特に市場が不安定な局面では、早めに購入して備えることをおすすめします。

米国株、今後の見通し
9月からは、機関投資家によるポートフォリオの組み換えや、FOMCイベントに対する利下げ期待や可能性、VIX指数の上昇傾向などで、市場の雰囲気が大きく変わる可能性があります。個人投資家としては、下落時に押し目買いができるよう資金を温存しておき、安く買える局面で投資するのが有効です。また、ハイテク株に偏りすぎず、ゴールドでリスクヘッジしたり、ディフェンシブ株+配当銘柄でポートフォリオを守るなどの戦略もおすすめです。
VIX指数(恐怖指数)や株価の季節性に関しては、当ブログでも以前記事を執筆しています。市場のリスク管理や相場の波を理解する上で、そちらも併せてご覧いただくことをおすすめします。
本日の内容はこちらで以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。